2016年9月17日、オビエドのメルセデス小学校に行きました。青空の下で小学校の第二校舎の屋根に使う使う瓦にペンキを塗りました。雨などでもなるべく痛まないように長く使えるように裏側にペンキ塗るそうです。
子どもたちや先生方、参加者たちと瓦塗りをしている時、ふと立ち上がって真っ青な青い空を見上げました。すると吹き抜けの屋根がまるで天国につながっているような感覚を覚えました。
そう、私たちの目の前にある学校には屋根がありません。ちょうど瓦をたどっていくと学校の教室になり、そこで一生懸命勉強をしたあと、その吹き抜けの屋根を伝って天国に行くような、そんな感覚が天から降ってきたように感じました。瓦は子どもたちであったり、一人ひとりの人生のピースであったりするような感覚です。
そして、瓦塗りの作業には5つの意味が込められているという声が心に届きました。
- 一枚一枚丁寧に塗ることで綺麗に仕上がる(丁寧に生きる)
- 一枚一枚丁寧に塗ることできちんと目標を達成できる(目標を持ち、達成する)
- みんなで力を合わせて行えば、教室の屋根ができる(共に協力しあって生きる)
- 新しくできた教室で勉強をしっかりすれば未来がある(あきらめないで学びを続けることで道が開ける)
- 人生も一枚の一枚の瓦の積み重ねである(一つ一つのものごとを大切に丁寧に誠実に行い、人生を紡いでいくことが人生を豊かにする)
- 教室で勉強し、社会で立ち働き、最後にはぽっかりと開いた屋根から天国にいく(一生懸命生きた先には納得した人生がある)
こんな感覚が突然ふってきたのでした。
そして理由もなく涙が出てしまい、止まらなくなってしまいました。
私が涙しているのを見て、近寄って抱きしめてくれた女性がいました。彼女は自分のことを以下のように語ってくれました。「私はパートナーから暴力を受け続けてきたのでつい先日勇気をもって離婚しました。カトリックの信者である私に離婚は厳しいものですが、ここの学校建設のようにあきらめないで前を向いて歩いていきます。」
生きるということはしばしば辛いものでもあります。国際協力は自己満足なのかもしれません。国際協力という名称ではない方が良いのかも知れません。しかし、こうして力を合わせて地域の方々や子どもたちとともに手作りで何年もかけて学びの空間を一緒に作り上げる機会を頂けたことは私の人生に大きなものを残してくれています。参加した方々の心にも何かが残っているととても嬉しく思います。
皆様から頂きましたご支援のお気持ちもしっかりとペンキ塗りという作業を通して小学校に置いてきました。
今日も綺麗にペンキを塗られた屋根は子どもたちを見守っていることと思います。
本当にありがとうございました。
藤掛洋子
*パラグアイの子どもたち写真の掲載につきましてはメルセデス小学校の先生方ならびに保護者の方への許可を頂いております。
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↓2017年2月に完成した学校