パラグアイの貧困についてのページです。

ここでは、以下の引用文献を中心にパラグアイの貧困問題についてご紹介いたします。引用される場合は、以下の引用文献をお示し下さい。

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藤掛洋子(2015)「パラグアイの女性たちの今日的ジェンダー課題」、『女たちの21世紀』、No.84,p.28.

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「パラグアイの女性たちの今日的ジェンダー課題」

35年間の独裁政権を経て1992年の民主化へ移行後、女性の地位も格段に向上しているが、調査を実施すると特に農村部にはマチスモ思想(男性優位思想)といわれる価値規範は今でも根強く残っていることがわかる(藤掛2014)[1]。このようなまチスも思想と女性の貧困は深い関係があると筆者は考える。

2014年に出された国勢調査(Dirección General de Encuesta, Estadística y Censo 2014)によると、女性世帯主世帯は10世帯中4世帯であり、賃金受給者においては、女性の平均給与は男性の給与の60%にしか至っていない。この数値は世界の女性の状況を酷似している。

 

引用文献

Diario Hoy 2014年2月24日 Mujer Paraguaya es jefa de hogar en 4 de cada 10 familias

Situación de la mujer trabajadora en Paraguay(Pubulicación de Ministerio de Justicia y Trabajo)

Mujer Paraguaya es jefa de hogar en 4 de cada 10 familias

[1]藤掛洋子(2014)「あとがき」、『 パラグアイ戦争史:トンプソンが見たパラグアイと三国同盟戦争』、ジョージ・トンプソン著, ハル吉訳、藤掛洋子・高橋健二監修。


 

「エルニーニョ現象とパラグアイの貧困は関係があるのか?」2016年12月31日更新

文章を引用される場合は、以下のようにお示しください。

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藤掛洋子(2016)「パラグアイの貧困:エルニーニョ現象とパラグアイの貧困は関係があるのか?」、『特定非営利活動法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金ホームページ』(http://mitai-mitakunai.com/support/paraguay/poverty閲覧日)。

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2016年に出版された Pulso Social de América Latina y el Caribe 2016: realidades y perspectivas(2016年ラテンアメリカ・カリブ海地域の社会情勢:実態と展望)(2016)では、2014年のパラグアイの人口の36%が最低4つのタイプの貧困要因を持っていることが指摘された。パラグアイ大統領企画庁,José Molinas大臣は人口の22.4%が貧困状態にある(2015 Dirección General de Encuestas, Estadísticas y Censos :DGEEC)ことを示すとともに、絶対的貧困は2014年の10.47%から2015年には9.9%に僅かながらも減少したものの、494.000人が農村部に、193.000人が都市部の居住しており、絶対的貧困者は、基礎的食料品バスケット(Canasta básica alimentaria:一人10.500 guaraníes (1,8 dólares)の収入を得ることができず、「飢餓状態」にある、という。

経済成長に伴い、パラグアイの貧困率は2010年が34.67%(絶対的貧困:19.41%)から2015年には22.24%(絶対的貧困:9.97%)に減少している(Dirección General de Encuestas, Estadísticas y Censos :DGEEC)ものの、ブラジルとアルゼンチンの経済の失速、第一次産品の価格低迷、エルニーニョ現象によるパラグアイ川の増水により貧困層の生活を直撃している。アスンシオン市内を流れるパラグアイ川が32年間で最大の7・82メートルの水位上昇を記録した。同市では12月27日も停電が続き、倒木で4人が死亡し、13万人以上が避難した[3]。パラグアイの都市部にあるスラムであるバニャード・デ・スル。バニャード・デル・ノルテ(通称カテウラ、以下カテウラ地区)においてもスラムの住民が避難を余儀なくされたり、先住民の小学校は水面下に沈んだため、教会で授業運営をすることを余儀なくされた。また、企画庁のMolinas大臣はGNPの増加と貧困撲滅は他国も含め連動していないことを言及している。パラグアイのジニ係数は48.3であり、3%未満の人口が85%のパラグアイの土地を有している大土地所有制の負の遺産についても検討すべきであろう。国連やFAOは、パラグアイの貧困撲滅には不均衡な土地所有の問題を解決すべきであると指摘している。

本基金代表理事である藤掛洋子ならびに関係者もカテウラ地区での調査を2013年より実施しており、カテウラにおける貧困ポケット問題は複層的な問題があり、これらを紐解いていくとともに複数のアプローチが必要であることを理解するに至った。現在は現地で活動するユースグループと本基金の学生チームが緩やかな連携を取りながら複数のプロジェクトの準備を進めている。

注ならびに引用・参考文献一覧

[1]貧困には、『育児の不十分さ、適齢期での入学不可、学校の長期欠席、学校行事への不参加、学校への低出席率、失業、社会保障なしの雇用、年金の欠如、上水道へのアクセス不足、望ましい医療機関へのアクセス不可、質の悪い住宅、過密等』である。

[2]Infobae(2016)La pobreza afecta al 22,2% de la población en Paraguay, JUEVES 05 DE MAYO 2016.(http://www.infobae.com/2016/05/05/1809335-la-pobreza-afecta-al-222-la-poblacion-paraguay/ 2016年5月5日閲覧。)

[3]2015年12月におきた強いエルニーニョ現象のため、パラグアイやアルゼンチン、伯国、ウルグアイで洪水被害が相次ぎ、27日夜の時点で17万人が避難生活を余儀なくされていると2015年12月26~28日付の伯字紙や各紙サイトが報じた。エルニーニョ現象はペルー沖の太平洋の海水温が平年以上に高くなる現象で、南米では干ばつや大雨などの異常気象が起きやすくなる。オラシオ・カルテス大統領は非常事態を宣言し、350万ドルの支援を承認した。(ニッケイジャーナルhttp://www.nikkeyshimbun.jp/2015/151229-23brasil.html, 2015年12月29日閲覧)

・5días(2016)  ‘El 36% de la población paraguaya sufrió al menos 4 tipos de pobreza ‘,18 OCT,2016(http://www.moopio.com/el-36-de-la-poblacion-paraguaya-sufrio-al-menos-4-tipos-de-pobreza-diario-5dias.html

・IDB(2015)Pobreza, vulnerabilidad y la clase media en América Latina
・IDB(2016)En el informe “Pulso Social de América Latina y el Caribe 2016: realidades y perspectivas”.

文責:藤掛洋子


 

パラグアイの経済成長と貧困 2017年5月7日更新

パラグアイ統計・国勢調査局(DGEEC)によると、153万人の国民が一人当たりの所得が1.8ドル以下であり、2014年より4000人増加している。都市部では、0.06%増加し、新たに6000世帯が基本食品(Canasta Basica)を購入できない状態である。

ラ・プラタ国立大学の調査研究によるパラグアイの購買力平価(PPA)41.4%

国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL)『ラテンアメリカにおける社会保障および経済格差』によると年金及び健康保険受益者率は南米最低(2013年38.8%)である。

文責:藤掛洋子(執筆中)