みなさま、はじめまして。
ミタイ基金(正式名称:特定非営利活動法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金)代表理事の藤掛洋子でございます。
ミタイ基金HPにお越し下さり誠にありがとうございます。

ミタイ基金は、子どものたちの教育やジェンダー問題の解決に取り組むためにパラグアイを中心活動している団体です。団体設立のきっかけは、私が1993年~1995年までパラグアイの農村部において青年海外協力隊(JOCV)として活動させて頂くとともに、パラグアイの方々から多くの学ばせて頂きましたことが始まりです。構造的には貧困の中で生活される村の方々の心の豊かさは目を見張るばかりで、私は実に誠に多くのことを学ばせて頂きました。

JOCV時代は、栄養指導や加工食品の製造支援などを通し、村の女性や子どもたちの生活改善のお手伝いをさせて頂くとともに、村で幼稚園やジャム加工場の建設支援などもさせて頂きました。この活動を通じ、パラグアイの町や村の女性や男性、子どもたちから多くのことを学びました。他者を思いやること、家族を大切にすること、自然を敬うこと、寛容さ、辛いときでも前向きに生きる姿勢などです。2年3か月間パラグアイで暮らし、「人としてどう生きるか」、「豊かさとは何か」、「国際協力とは何か」について常に考える機会を頂きました。青年海外協力隊は「協力をしにきたのではなく、協力をされに来たのだ」と痛感する日々でありました。1995年1月、忘れもしない阪神淡路大震災が起きた時、私はまだ南米におりました。パラグアイの「心」の家族は、この震災に強く心を痛め、共に涙してくれました。そして、ないお金を削って私の家族に国際電話もかけてくれました。

帰国後も継続的にパラグアイの人々と関わりたい、同時に複数の構造的暴力(貧困、女性への差別、障がい児への差別、先住民族や農民への差別、家庭内暴力の問題、貧困により売買春に巻き込まれる子どもたちなど)に直面する方々に微力ながらも支援させて頂きたいと考え、1995年より小さな小さな活動を始めました。

ミタイ基金はソフト面の支援も続けておりますが、小学校の建設支援にも力を注いできました。自分自身の人生を振り返り、教育はとても大切であると強く思い続けているからです。いくつになっても教育を受け、様々な情報を獲得し、ミクロからマクロまで俯瞰し社会を分析する力は必要だと考えるからです。そして、異なる意見や慣習などについて受け入れ、状況に応じ他者と議論したり、交渉したりする力は、一人一人のとって必要な力であります。同時に、このような力は、紛争やコンフリクトのない社会を生み出し、私たちの生活を豊かにする基盤になると考えるからです。

自分自身に言えることですが、教育を受ける機会を十分に得ることのできなかった人間は、自己肯定感が(一概には言えませんが)低いのではないかと考えております。教育を受け続けることから、様々な情報にアクセスし、自己と対話し、自己の状況を相対化し、多くのことに気付いていく、教育とはそのような力を養うことができるツールであると考えます。ジェンダーへの気付きもこのような学びから始まります。

これらの気付きは一人ひとりの内発的成長には不可欠であるとともに、個人の成長は社会に大きな希望や未来を生みだすと考えます。私は現在アフリカやアジアでも仕事をさせて頂いておりますが、やはり1993年より20年以上にわたり関わりを持たせて頂いておりますパラグアイの方々とは強くつながっていたいと願っております。

2008年には学生部も誕生しました。最初の学生部は東京家政学院大学の学生たちが中心となりました。首都大学東京の学生、青山学院大学の学生も参加しました。現在の学生部は横浜国立大学の学生たちが中心となり、慶応義塾大学の学生も参加し、5校目の学校建設に向け調査をしたり、ソフト面の教育支援を準備したり、パラグアイのニャンドティといわれる手工芸品のフェアトレードを展開しております。このような活動で得られた収益は、学校建設や奨学金・品の購入に充てられております。

これからも時々、ミタイ基金のHPに立ち寄ってみてください。小さな活動ですが、パラグアイの方々から多くのことを学び、私たちも村の子どもたちも共に成長しております。先進国(に位置づけられる日本)と途上国(に位置づけられるパラグアイ)の人々とは互恵の関係にあると考えます。お互いに学びあうこと、そしてできることをできる人がやれれば、きっと皆が幸せに生きることができる社会を創造できるのではないでしょうか。

ミタイ基金のメンバーができることはとても小さなことです。支援者の皆様方のお力添えがあって初めてこれらの活動は成り立っております。これまでのご支援に改めて心から感謝申し上げますとともに、引き続き皆様方のご指導・ご鞭撻を賜りたくここに謹んでお願い申し上げます。

ミタイ・ミタクニャイ子ども基金代表 藤掛洋子
(横浜国立大学大学院教授)
2015年12月05日更新

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■藤掛洋子(ふじかけ・ようこ)
独立法人国際協力機構青年海外協力隊技術顧問、国際開発学会理事、国際ジェンダー学会理事、国際ボランティア学会理事、ケア・インターナショナルジャパン理事、公益社団法人青年海外協力協会理事

 

■略歴
横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授、横浜国立大学先端科学高等研究院中南米開発政策ユニット長

大手電機メーカー退職後、1992年から2年3ヶ月にわたり青年海外協力隊「家政隊員」として南米パラグアイに赴任。帰国後、JICA短期専門家としてパラグアイ厚生省、チュニジア国家人口公団、ペルー女性人間開発省、ホンジュラス、グアテマラなどで活動、

お茶の水女子大学大学院博士後期課程人間文化課程修了(博士:学術、Ph.D. in Gender and Development Studies)
東京家政学院大学・大学院助教授を経て、2012年4月より現職。

2015年10月パラグアイ国会下院より表彰ならびに国会下院パラグアイ・日本友好委員会より金メダルを受勲。同月、Nihon Gakko大学より名誉博士号(教育学)授与。

専門:文化人類学、開発人類学、パラグアイ地域研究、ジェンダーと開発、質的調査など幅広く、「子どもと女性のエンパワーメント」をメインテーマに研究、活動している。